リュシル

リュシル
表 題 「リュシル」
副 題 ─ 闇のかなたに
原 題 RIEN NE S'OPPOSE A LA NUIT
著 者 デルフィーヌ・ドゥ・ヴィガン
訳 者 山口羊子
製 本 並製本
判 型 四六判 (127×188)
頁 数 本文400頁
定 価 1728円(本体1600円+税)
発行日 2014年12月30日
発売日 2015年1月14日
発 行 エンジン・ルーム
発 売 河出書房新社
ISBN 978-4-309-92042-9  C0098

☆2015年1月14日より全国書店発売!



謎につつまれた母。
その一族の光と影を非情なまでに描き、
フランスを騒然とさせた問題作。
ゴンクール賞候補作品。


内容紹介

どうして母は自殺したのか? 娘である著者はその謎を追い求める。子ども時代、高級ファッションブランドのモデルとして国民的なスターだった母が、成人して狂気に襲われる。どうして母は精神に異常をきたしたのかという疑問、同じ病に自分も襲われるかもしれないという不安が、その錯乱を目の当たりにした作者につねにつきまとう。母の生きた軌跡をたどると、次々と闇の部分が明らかになっていく。母の生きた軌跡を描ききることで、著者の魂は救われるのだろうか。

『ノーと私』、『Les heures souterraines』(この二作品は世界25か国で翻訳出版された)が刊行されたのち、デルフィーヌ・ドゥ・ヴィガンは、家族の記憶の核心に迫る衝撃的な作品を発表した。ここでは、喜びにみちた光り輝く思い出が、ひた隠しにされてきた家族の秘密と隣りあわせになっている。著者がここで力強く繰り広げるものは、私たちの人生であり、家族の亀裂であり、心の傷である。


書評(帯)

●金原ひとみ
取り憑かれたように母は狂い、取り憑かれたように娘は書いた。
狂気と正気のせめぎ合いの中で、小説だけが帰結する。


●佐久間文子
美しかった母はなぜ死を選んだのか。作家である娘の、弱さも強さも描き出す
まなざしに曇りはない。その人のすべてを受け止める、ひたむきな愛情のかたち。


●豊崎 由美
自死を選んだ母への、これは魂の深い場所で奏でられたレクイエム。母というもっとも親しい他者の謎に迫って痛ましい、すべての“子供”にとって切実な私小説なのである。


●アーシュラ・K・ル=グウィン (『ゲド戦記』)
本書は、自ら命を絶った母に捧げる美しい紙の棺である。この棺は、著者が傷つき苦しみながら紡いだ言葉で織りなされている。


著者略歴

デルフィーヌ・ドゥ・ヴィガン (Delphine de Vigan)

小説『ノーと私』により2008年フランス本屋大賞を受賞。この作品はザブー・ブライトマン監督により映画化された。その後『Les heures souterraines』、『リュシル』を上梓。いずれも世界各国で翻訳出版された。2014年、封切りとなった映画『A coup sûr』により映画監督となる。パリ在住。


訳者略歴

山口羊子 (やまぐち ようこ)

翻訳家(フランス語・英語)。お茶の水女子大学文教育学部卒。フランス・ランス大学留学。主な訳書に、ロマン・サルドゥ『我らの罪を許したまえ』(発行:エンジン・ルーム/発売:河出書房新社)、サマーズ&ワトソン『「幸運力」を育てる本』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、フォークナー『大地の動きと岩石・鉱物・化石3 鉱物』(文溪堂)、ガイス&ル・カントレック『ドイツ・フランス共通歴史教科書』(共訳・明石書店)、マッケイブ『ハリー・ポッター映画大全』(共訳・ソフトバンククリエイティブ)など。