地球文字探険家 浅葉克己ディレクション。
「祈りの痕跡。」展

浅葉克己とニシキヘビ

写真:稲越功一

新しいアートデザインの風

 みなさん、こんにちは。地球文字探検家の浅葉克己です。現在の僕は眠れぬ夜の連続です。

 2007年、六本木の東京ミッドタウンの庭に安藤忠雄さんの設計でオープンした21_21 DESIGN-SIGHT、日本で初めてのデザイン美術館が誕生しました。2008年7月19日から9月23日まで開かれる展覧会のディレクターは私です。去年の暮、三宅一生さんに呼ばれて「魂の表現や情熱の表現で展覧会をしてほしい」と指名を受けた。2007年12月13日、いろいろ考えて原稿用紙一枚の企画書を提出した。タイトルは「祈りの痕跡」。

 地球文字探検家の私としては2008年7月、21_21の空間に「祈りの痕跡」を集め、文字でこの館を埋めつくしてみたい。例えば楠田枝里子さんの「ナスカの地上絵」。吉村作治さんの協力で、エジプトのヒエログリフをなんとかしたい。杉浦康平さんの「文字の宇宙」。リー・ウーファンさんの起筆の絵画。本田安彦さんの祈りの版画。服部一成さんの視覚伝達。ペマ・ギャルポさんにチベット仮面舞踏団を呼んでもらい夏中踊ってもらう。浅葉克己はトンパ経典から「黒白戦争」を翻訳し、新作を発表する。地球上から「祈りの痕跡」を持つ人たちに参加してもらい、北京オリンピックに深い意味で対抗できるディレクションをしてみたい。

 三宅一生さんから暮に「テキストを読んでみて、さすが!と感激しました。新年早々会えることを楽しみにしています」とメッセージが届いた。あれから4か月。三宅一生文化財団の企画スタッフがサポートしてくれている。毎週一回の定例会議。会える人に全部会い、話を聞いてもらう。個展と違いディレクションというのもなかなか大変な仕事だ。

 つい最近、ニュージーランドに行った。ここでは天地逆の世界地図が売られている。ニュージーランドが一番上に見え、中国大陸やヨーロッパ大陸はずいぶん下の方に見える。そして日本列島は中国大陸から水滴のように弓なりに膨らんで見える。墨を摺り、手を動かして「書く」ということから、中国と日本を結びつける新しいアート・デザインが誕生する予感がする。でもそれはやはり、「祈りの痕跡」でしかありえないだろうと僕は思う。

2008年5月8日